@okj_webmagazine face book twitter
close
open








OK!J ニュース
OK!J ニュース

前の記事
次の記事

フラメンコ界のカリスマ イスラエル・ガルバン来日公演レポート
タブラオ・フラメンコ・ガルロチで、魂を揺さぶる圧倒的パフォーマンスを披露!!

news 2019.09.09
190909_01_1

フラメンコ舞踊家、そして振付師として世界中の絶賛を浴びている現代スペインを代表するアーティスト、イスラエル・ガルバン。1973 年セビリアで両親共に舞踊家の家に生まれ、幼少期からフラメンコを踊ってきた彼は、革新的な作品を次々に発表。「破天荒な天才」「革命児」「現代のニジンスキー」とも呼ばれ、フラメンコの枠を超えて世界のダンスシーンのトップで活躍を続けています。

来日は20回以上という親日家のガルバンが今回選んだのは、タブラオ・フラメンコ・ガルロチでの連続公演。長年、広い劇場での公演が主だった彼がタブラオ(ショー型レストラン)で踊るのは、まさに画期的なこと。身近な距離でガルバンの素晴らしいステージを体感できる、またとないチャンスです。
「今回、日本のタブラオで公演を行うことは、原点への回帰です。」幼少期にタブラオで両親とともに踊っていたガルバンは本公演への思いを語った上で、「ガルロチは“聖堂”と呼べるタブラオであり、スペインと日本におけるフラメンコの先駆者です」と、今回の場所が持つ大きな意義を語っています。



190909_01_2

その場所タブラオ・フラメンコ・ガルロチは、東京・新宿三丁目で50年以上にわたって日本のフラメンコを支えてきたエル・フラメンコの跡地を引き継いで生まれました。本場スペインで活躍中の著名なアーティストの公演を美味しい本格スペイン料理とともに楽しめると評判のお店です。訪れたのは公演初日の9月3日。一歩足を踏み入れると、ノスタルジックなスペインにタイムスリップしたような、異空間に迷い込んだ感覚になりました。赤を基調とした店内の中央にレイアウトされた舞台は、どの客席からも近く、落ち着いていて気品と温かみがあります。

この日は特別に多摩美術大学教授であいちトリエンナーレ2016の芸術監督を務め、ガルバンを招聘した港千尋氏のトークショーも開催されました。ガルバンと共演するスペインの音楽家ニーニョ・デ・エルチェの解説もあって、準備万全。その後は、ディナー・タイム。1時間30分たっぷりかけて、新鮮な食材を使った美味しい本場スペイン料理を堪能した後、いよいよショーの始まりです。

拍手に迎えられて登場したガルバンとエルチェ。Tシャツからエプロンまで全て黒で統一したガルバンが、エルチェの呪文のような語りとともにステップを踏み始めるやいなや、そのパフォーマンスにくぎづけ! 華やかな衣装の女性と踊ったり、闘牛士姿だったり…という典型的なフラメンコのイメージが吹き飛んでしまいました。コンテンポラリーダンスや、表現方法こそ違いますが舞踏に通じる所もあると思います。



190909_01_3

フラメンコもダンスという概念も超えて、アートとして存在しているーーそんなガルバンのストイックな舞台。鍛え上げられた体すべてを使って踊り続ける彼が魅せる、見事なステップとターン。自らの体を叩いて音を出し、時にはステージに持ち込んだ靴を両手にはめたり、丸い木板や金具の上で踊ったり、まるで彼自身が楽器と化したように、肉体を駆使して音楽を創っていると感じました。ガルバンの体から刻まれるリズムがエルチェの語りや歌声と融け合って、観客は盛り上がる一方。さらに舞台に置かれた椅子や小道具のステッキも使って、一瞬も休むこと なく踊り続けます。

後半、照明が消されて暗転。客席に移動したガルバンがコミカルにマジックショーのようなダンスを披露すると、会場全体が笑いと興奮の坩堝に。ギターと歌と一体になった踊りでフィナーレを迎えた、圧巻のステージでした。
60分間ひたすら踊り続ける驚異の肉体から伝わってくる、ガルバン自身の熱い思い。魂の叫び。常に挑戦し、進化するフラメンコを体現する唯一無二のアーティスト、イスラエル・ガルバンに心を奪われてしまいました。

Text:Keiko Maruyama

CATEGORYから記事を読む