@okj_webmagazine face book twitter
close
open

OK!J 限定記事
OK!J 限定記事

前の記事
次の記事

OK! インタビュー☆ソフィア・ローレン:“幸せを享受して実感することが美しく歳を重ねて生きる鍵”(後編)
イタリアが誇る伝説の女優として、85歳になった今でもそのカリスマ性を遺憾なく発揮しているソフィアの人生観とは。

limited 2020.06.25

OKJ.Sophia Loren.2.1.jpg
イタリアが誇る伝説の女優として、85歳になった今でもそのカリスマ性を遺憾なく発揮しているソフィア・ローレン(Sophia Loren)が自身の人生観について語る。


━━年齢を重ねるごとに“旅をすること”を負担に感じるようなことはありますか?

負担というより、元来私は飛行機に乗ることがあまり好きではないの。もちろん、歳を重ねることは特に嬉しいことではないけれど、でもまだ15歳くらいは若く見られる自信があるし(笑)。
とにかく年齢に関係なく、自分の人生を精一杯楽しく生きていきたいと思っているわ。子供を産むことも、年齢を重ねることも全て人生の過程の一つ! それに年齢よりも若く見えることは、決して罪ということではないし、それどころか、とても素晴らしいことだとは思わない?

私は食事には特に気を付けていて、実は2冊の料理本も発行しているのよ。それに運動をはじめ、自分の体に良いと思うことにはできるだけ挑戦するようにしているわ。そして何よりも心掛けているのは、常に心穏やかに生きること! 幸せは自分の中から湧き出るものだと思うし、“穏やかな生き方”が“美を保つ”鍵だと思っているわ!


━━あなたはまさに“無一文の貧乏からの生活から、絶大な成功を収める”という絵に描いたような人生を歩んでいらしたようですが、今もまだ記憶の中に残っているナポリの幼少期の思い出などがあるようでしたら、お話ししていただけますか?

今でも子供の頃のことは覚えているけれど、でもその当時のことはほとんど記憶に残っていないの。“忘却とは忘れ去ることなり”というでしょう?


━━小さい頃からいつも“自分は女優になる”という自覚がおありになったのでしょうか?

小さい頃からいつも演じることが好きだったわ。もちろん、それからかなりの年月が経ってからやっとスターの道を歩き始めるわけだけれど、私が最初に“スター”を意識したのは確か母が私に“あなたはスターよ!”と言ったときだったと思うわ。
そして、まだ幼い少女時代に叔母と一緒に映画を見に行ったとき、演技に興味を持つようになったの。そのとき初めて、大きくなったら今の人生とは異なった他の人生が私を待ち受けているに違いないという夢を見るようなったのを覚えているわ。

OKJ.Sophia Loren.2.2.jpg


━━最近は“これから先、どのようにご自身の人生を生きていきたい”と思っていらっしゃるのでしょうか?

自分のためだけではなく、周囲の人たちのためにも、いつも前向きに生きるよう、心掛けているわ。私の生き方は実にシンプルで、とにかく子供たちが私に語ってくれること全てを前向きに捉えて楽しむようにしているの。孫たちは今、遠く離れたカリフォルニアに住んでいるけれど、彼らの成長ぶりを見るたびに、幸せで満ち足りた気持ちになるわ。

なぜか孫たちは全員突然変異のように、美しいブルーアイにブロンドヘアーなの。でも、きっとその驚きになぜなんて考える必要はないのよね!


━━ご自身の経験を通して息子さんやお孫さんたちに、どのようなメッセージ、そしてレガシーを残したいと思っていらっしゃるのでしょうか?

彼らは人生を豊かにしてくれる私の生き甲斐! そして、ただそれだけ!


━━あなたは“幸せを享受して実感することが、美しく歳を重ねて生きる鍵”とおっしゃっていますが、そのことについてもう少し詳しくお話ししていただけますか?

私は常日頃から、年齢を重ねることを含めて、‟今手中にある人生を楽しむ”よう心掛けているつもりよ。人生の中で起きることは、全て起こるべくして起きていると思うの。だから全てを必然と捉えて、いつも自分を大切にして生きていくことが大切なのではないかしら? でも、それもこれも全ては自分次第、幸せは自分が幸せと実感したときに自分の手に入るものだと思うから!


━━女優として仕事を始められた頃のご苦労、さらに、常に“美しくある”ことを要求されたり、注目されたりすることへのご苦労について、少しお話しして下さい?

若い頃の難しさは、何とかして自分の美しさを証明しようとすることだと思うの。周りには女優になりたいと思っている若くて美しい女性がたくさんいて、その野望を利用しようとする人たちもたくさんいるということを分かって行動するべきではないかしら?
でもその点、私は素晴らしい人たちに守られて、とても幸運な女優デビューをしたと今でも思っているわ。
それに、私が女優として成功し、活躍した1950年代は、人々の“美に対する考え方”が、今とは違っていたと思うの。女優としての“優雅さ”や“美しさ”に、周囲のファンは純粋に憧れを感じてくれていたし、今のように“美”が商業化されたり、ただ単に“お金に換算されたり”するようなことは、ほとんどなかったわね。

今は若い女優やモデルたちは、自分の美を武器にすぐに有名になるけれど、そうした“使い捨て”のような環境の中では自分を磨き、成長するチャンスはないと思うの。ただ単に有名になるというだけで、それ以外には自分の目標がないというのはとても危険なことだと思うわ。

OKJ.Sophia Loren.2.3.jpg
写真左から:ソフィアの夫で映画監督のカルロ・ポンティとソフィア(1965年)。


━━常に“美の象徴”のイメージを保ち続けることに、疲れや重荷を感じたりしたことはありませんか?

とんでもない、それどころか、とても光栄に思っているわ。でも、周囲の人たちからただ単に“美の象徴”という側面でしか見られることがなかったら、それは重荷というか、不安に感じるのではないかしら?


━━あなたは2007年に亡くなられた、イタリアの映画監督、カルロ・ポンティ(Carlo Ponti)と41年間の結婚生活を送っていらっしゃいますが、結婚生活を長く続けることの秘訣があれば教えていただけますか?

あら、秘訣など何もないわ。お互い会った瞬間に“この人だ!”と感じた、いわゆる“一目惚れ”で、私たちはそれ以来、理屈なしにずっと純粋に愛し合った仲だと自負しているの。


━━ハリウッドから端を発した、ミー・トゥー(#Me Too)ムーブメントのお陰で、世界中の人たちが女性の声に耳を傾けるようになったわけですが、そのことに関するあなたの考えをお聞かせ願えますか?

女性が自分の考えを主張して、自分たちの生き方を真剣に考える機会を手にすることができるというのは、本当に素晴らしいことだと思うわ。誰かが誰かを自分の利益や欲望のために利用するのは、決して許されるべき行為ではないはずだし!

でも幸いなことに、私は他の女優仲間たちが告発していることと同じような経験をしたことが一度もないの。
それは、多分いつも私の側にいた母から色々なことを聞いて教わっていたからだと思うわ。だから、ちょっとでもそのような危険を感じたら、一目散に逃げること! 被害に遭わないためには、とにかく“その場から走って立ち去ること”以外にはないと思うし、もし私がそのような目に遭っていたとしたら、絶対にそうしていたと思うわ。


━━ケーリー・グラント(Cary Grant)と『月夜の出来事』(原題:Houseboat)で共演なさった後、彼との結婚が噂されたようですが、そのことに関してのエピソードをお聞かせいただけますか? 今考えると、あの頃はアメリカを離れるべきかどうか迷い、精神的にも不安定で、私にとってはとても奇妙な時期だったの。そんなときに共演したケーリー・グラントが私に恋に落ちて、求婚されたというわけ! でも、その求婚を受けるということは、つまりカルロ・ポンティと別れるということで、結局はスキャンダルに巻き込まれるのを覚悟しなければならなかったの。

その前にもイングリッド・バーグマン(Ingrid Bergman)が不倫の恋に落ちて、夫の元を去ったとき、当時のアメリカジャーナリズムはとても保守的で、彼女の行動を責めるニュースばかり!
だから私も、もしイタリアを離れて同じような道を辿ったら、メディアからどのように叩かれることになるのか、非常に心配したわ。

OKJ.Sophia Loren.2.4.jpg
(1957年)


━━ケーリー・グラントについて、少し触れていただけますか?

私が知っている中でも、最もエレガントでチャーミング、その上、見とれてしまうほどのハンサムで、とにかくとても素敵な男性だった! 部屋の中に入ってきた瞬間に心を奪われてしまうような男性と言っても過言ではないわ!

それに彼は“名うてのダンサー”で、彼と踊っていると、まるで雲の上でダンスをしているような気分になるの。ファッションのセンスも抜群で、社交術も心得ている、文句のつけようがない“洒落た男性”! それに、数千本のバラをプレゼントしてくるようなとてもロマンティックな面も兼ね備えた、女性にとっては最高に理想的な男性だったわ。


━━“もし、彼と結婚してアメリカに住み続け、そのままハリウッドで女優業を続けていたとしたら?”と考えられたことはありませんか?

その当時は自分でも迷い、混乱していたことは確かよ! でも、一度イタリアへ戻って、自分の国で仕事を続けると決心したら、もう迷いはなかったし、今でもその選択を決して悔いてはいないわ。

人生には選択しなければならないときがあって、“一度進む道を決めたら、そこからスタートして、後ろは一切振り向かない”という生き方が私は好きなの。だって、あれこれ考えていたら頭の中がおかしくなってしまうと思わない? それに、どんなに思い悩んでも、過去に戻ることはできないわけだし、答えは出てこないと思うわ。


━━長年の“女優生活”を通して、ご自身の中に残る素晴らしい思い出についてお話ししていただけますか?

ケーリーと共演した『月夜の出来事』は、楽しい思い出でいっぱいよ。
それから、マルチェロ・マストロヤンニ(Marcello Mastroianni)と共演した全ての映画は今でも“脳裏に焼き付いているわ”。彼はまさに人生そのもので、晩年の演技の中で、彼が全てのセリフを覚えていたことで、一緒に喜び合ったことも今でも素晴らしい思い出の一つだわ!
それから『ふたりの女』(原題:Two Women)は、どの場面を振り返っても、全てドラマティックで、自分でも満足がいく作品。あの映画で初めて私の演技力が評価されたと言っても過言でなないと思うわ。


━━今は亡きお母様とご主人のカルロが、あなたの人生と現在のあなたについて何か一言と聞かれたら、お2人は何を語られると思いますか?

母はきっと私のことを誇りに思って「よく頑張ったわね。今を楽しみなさい!」と言ってくれると思うわ。そして、カルロは多分黙って優しく微笑むだけだと思うわ。

INTERVIEW BY WENN
PHOTO © Brian To / WENN.com
PHOTO © Andres Otero / WENN.com
PHOTOS © Mirrorpix


END.
CATEGORYから記事を読む