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トム・ハンクス:「親は全て間違いだらけ!」
『トイ・ストーリー』や『キャスト・アウェイ』上映以来、節目の記念日を祝い、主役のトム・ハンクスの軌跡を振り返る。

limited 2020.05.21

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『トイ・ストーリー』や『キャスト・アウェイ』上映以来、節目の記念日を祝い、主役のトム・ハンクスの軌跡を振り返る。


『めぐり逢えたら』(原題:Sleepless in Seattle)で共演したメグ・ライアン(Meg Ryan)が「トム・ハンクスには、あまりふさわしくない映画のような気がするわ。」と言うように、『トイ・ストーリー』(原題:Toy Story)は、“ハリウッドきっての誠実な男”と評判のトム・ハンクス(Tom Hanks)にとってはちょっとひねった作品かもしれない!

2008年、ローマの神殿近くで『天使と悪魔』(原題:Angels And Demons)の撮影をしている最中、撮影を見物しようと群がる観衆の中で、花嫁の娘を教会へエスコートできない父親を見たトムは撮影を中止して、彼自身が花嫁を教会までエスコートしたというエピソードの持ち主!
そして、その他にもトムのナイスガイぶりを披露するエピソードは数限りない!

妻のリタ・ウィルソン(Rita Wilson)と共にハリウッドスターとして初めて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性判明テストを受けたトムは、数週間前のインタビューの際にも実に落ちついたカッコいいクールガイぶりを披露している。
そして、オーストラリアの病院で検査を受けたときの状況を、SNSツイッターのフォロワーに対して次のように冷静に説明するトム!
「とにかく、むやみに焦ることなく、1日ずつ快方に向けて努力するという気持ちを持つことが大切ではないかと思うよ。だって、それ以外には何もできないものね。」
その後「だいぶ快方に向かってきているよ。」とメッセージを送り、回復したトムにファンの皆も一安心している。

今年はトムにとって2大ヒット映画の節目に当たる年で、こんなことを言うと誰もが自分の年齢を感じるかもしれないが、『トイ・ストーリー』は25年前、そして『キャスト・アウェイ』(原題:Cast Away)は20年前の作品となる。
リタの“いいじゃない! そんなことを言わなくても分かっているわよ!”と叫ぶ声が聞こえてきそうだが、この2作品は共にトムの俳優としてのキャリアを象徴するような代表作で、特に、『キャスト・アウェイ』では見事、第58回ゴールデングローブ賞、主演男優賞(ドラマ部門)を獲得している。
フィージーの孤島で行われた撮影では40ポンド(約18キロ)の体重増の後に、55ポンド(約25キロ)の減量と、過酷な体重調整のために、糖尿病で病院通いをしたという役作りの苦労を考えると、この主演男優賞はまさに称賛に値する力作といえる。

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写真左から:トムと妻のリタ・ウィルソン。


また昨年ヒットした、トイ・ストーリー第4作目で最終作『トイ・ストーリー4』(原題:Toy Story 4)では、バズ・ライトイヤー(Buzz Lightyear)の声を担当したティム・アレン(Tim Allen)との共演で、カウボーイのウッディ(Woody)役を演じたトムだが、トムにとってこのウッディとの別れは、自分の体力的限界を自覚しなければならないこととも重なり、とても心迫るものがあったと言われている。

そして、そのことについてトムは自身の心境を次のように述べている。
「最後のいくつかの撮影シーンでは自分の後ろにマイクスタンドを設置して、スタジオにいる他の共演者たちと一緒に、レコーディングしなければならないような状況だったんだ。」

映画の中でいつも“グッドガイ(善良な男)”を演じるトムだが、「なぜ、ほとんど悪役を演じることがないのか?」という質問を投げ掛けてみると、トムからは「ただ単に出演依頼がないから! 悪役を演じるには、ある程度の“毒気”が必要で、それを無理に演じることはできないということではないかな!」という率直な答えが戻ってきた。

カリフォルニア北部で育ったトムにとって、人生はそれほど楽なものではなかったらしい。
彼が5歳のときに両親が離婚し、トムと彼の兄と姉は、次から次へとすみかを変えるシェフの父に引き取られ、弟は母親の下で生活するようになったという当時の境遇を振り返り、自身の生い立ちについて次のように語るトム!
「僕たちには、家庭で落ち着いた生活をしたという記憶はないんだ。常に引っ越しバッグの中に何かを詰め込んだり、出したりしながら転居を繰り返しているうちに、ほとんどのものを失ってしまったしね。だから僕には3歳からの持ち物は全く残っていないし、それ以来ずっと“思い出の品”といえるような品物は、僕にとっては無縁の存在というわけなんだ。」

現在トムには、最初の結婚相手で1985年に離婚した、サマンサ・ルイス(Samantha Lewes)の間に生まれたコリン(Colin:42歳)とエリザベス(Elizabeth:37歳)の他に、『ピース・フォース』(原題:Volunteers)で共演し、1988年に再婚したリタ・ウィルソンとの間に設けた2人の息子、チェット(Chet:29歳)とトゥルーマン(Truman:24歳)と4人の子供がいるが、自身の子育ての経験についてトムは次のようなコメントを披露している。
「僕は決して理想的な親ではなかったと思うよ。だって、21歳で父親になるのは明らかに若すぎるし、父親になったときはとにかく“さあ、これから家族3人を食べさせていかなければと思い、責任を感じたことを今でも鮮明に覚えているよ。」

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現地時間2020年1月5日、ロサンゼルスで開催されたゴールデン・グローブ賞で、生涯功労賞にあたるセシル・B・デミル賞を受賞したトム。


その後1988年の作品『ビッグ』(原題:Big)で一躍スターダムに駆け上ったトムはまた、最初の結婚で生まれた2人の子供たちと、再婚で生まれた他の2人の子供たちの育て方の違いについても次のように語っている。
「最初の2人の子供たちとよく話しをするのだけれど、あの当時の僕は仕事があったりなかったりして、それほど忙しい毎日ではなかったし、子供たちには、父親と一緒に過ごすこともある、ごく普通の家庭生活を送ったという記憶があるらしいんだ。
でも下の2人の子供たちは、僕が有名になって忙しい中で子育てをしていたので、僕のことを父親以外にも、“第三者”的な存在として眺めながら育っているという側面があるらしいんだ。」

その後トムは『フォレスト・ガンプ/一期一会』(原題:Forrest Gump)、スティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督による『プライベート・ライアン』(原題:Saving Private Ryan)や、同じく同監督作品でメリル・ストリープ(Meryl Streep)と共演した『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(原題:The Post)などへの映画出演を経て着々とキャリアを積み、今年1月には、今までのエンターテインメント業界への貢献を称え、生涯功労賞にあたるゴールデングローブ賞 セシル・B・デミル賞(Cecil B DeMille Award)を受賞。
2016年には、当時の大統領バラク・オバマ(Barack Obama)より“大統領自由勲章(Presidential Medal of Freedom)”が授与されている。

しかし、これだけの栄誉を手に入れても、決して調子に乗って鼻高々にならないのがトムたるゆえん!

「私はショービジネスの世界に足を踏み入れたいと思っている人たちに向かって、いつもこう言っているんです。“どうしてこの業界にいるかというと、このショービジネス以上に楽しいと思う仕事がないからだと思います。まるでハイスクールに行って微積分類学の勉強をする代わりに、ドラマのクラスを受けることができる喜びを発見するようなものだとは思いませんか?”とね!」

さすが、トム・ハンクス! 彼はまさにナイスガイのお手本のような存在!

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現地時間2018年1月15日、イタリアのミラノで開催された『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』のフォトコールに参加した、(写真左から)トム、メリル・ストリープ、スティーブン・スピルバーグ。


トムについて語るセレブリティーたち。

-バラク・オバマ(Barack Obama)
周囲の人たちはトムが、かつてのジミー・ステュアート(Jimmy Stewart)やゲーリー・クーパー(Gary Cooper)のような、ハリウッドを代表するアクターだと言いますが、彼はそれ以上でも以下でもない“トム・ハンクス”なのです。そして、それだけで十分なのです。

-メグ・ライアン(Meg Ryan)
とにかく、彼には感心の一言よ。一緒に仕事をしていても、いつも楽しいし、スマートで親切で、誰からも信頼される存在の人だと思うわ。

-メリル・ストリープ(Meryl Streep)
トムは決して間違えをおかさない人なの。もちろん、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』の撮影のときもそうだったわ。そう、彼はいつも事前に全てを想定して、完璧にセリフを覚えているのよ。だから、撮影に向けて、つい私もそれに負けじと挑戦してしまうのだけれど、それが私にとってはまた別の楽しみでもあるわけなの。

-スティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)
彼と一緒に仕事をしていると、まるでそよ風を感じるような心地よさがあるんだ。彼には山のようにたくさんのアイディアがあって、さらにそのアイディア全てにオープンで、可能性を感じさせてくれるのがトム! とにかくトムはクリエイティブで、それを独自のオリジナリティーで演じてくれる類まれな人なんだ。

Words © Katie Langford-Foster / OK! MAGAZINE
Photos © Wenn


END.
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