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OK! INTERVIEW☆ライアン・ゴズリング: 映画『ファースト・マン』:“真の想いを表現するのがとても難しかったと思うよ”(後編)
役作りの際“自分の人生について考えさせられる”機会でもあったんだ、と語るニール・アームストロングを演じたライアン。

limited 2019.01.12

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役作りの際“自分の人生について考えさせられる”機会でもあったんだと語る、映画『ファースト・マン』(原題:First Man)(全米公開: 2018年10月12日、日本公開: 2019年2月8日)でニール・アームストロングを演じたライアン・ゴズリング(Ryan Gosling)。


━━過酷なトレーニングと準備期間中の、アームストロングの胸をよぎる個人的な想いや、家族との生活風景を映画の中で、どのように表現しようと思われたのでしょうか?

この映画には二つのテーマがあって、その一つは、「月面着陸」そのものについて、そしてあとの一つは「この地球で生活するために、月に行く必要があると考えている一人の人間の話」で、ミッションを達成する際のニールの“熱い想い”や“宇宙への旅”と同時に、“個人的な心の旅”をできるだけ分かりやすく表現しようとしたんだ。


━━一般的な役作りの準備の他に、どのような下調べをなさったのでしょうか?

NASAを訪問したとき、ちょうど宇宙ステーションから帰還したばかりの宇宙飛行士の一人にNASAの内部を案内してもらったのだけれど、そのとき彼は「宇宙から見ると、世界は広大な流れのなかに存在しているという見方ができるようになる。」と説明してくれたんだ。

そしてそれは僕にとって“説明しきれない恐ろしさ”と同時に、“自分の人生について考えさせられる”機会でもあったんだ。でも、例えば家に戻って3日後には、混雑した道路でクラクションを鳴らしたり、日々の生活の問題に明け暮れる現実の生活があって、今でもそうした“宇宙的な感覚”を日々の暮らしの中で実感するのは、とても難しいことだと思っているよ!


━━アームストロングのご家族にお会いになったのですか? (アームストロングは2012年、82歳で永眠している。)

アームストロングのご子息にお会いして色々と話を伺うことができて、僕の役作りを助けてくれたことに心から感謝しているよ。それから、NASAがアームストロングの二番目の奥さん、キャロル(Carol)に会う機会を作ってくれて、彼女が設立した“アームストロング”の記録を称える、ミュージアムを訪問できたことも、ありがたいと思っているよ!

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写真左から:ライアン、アームストロングの妻ジャネット役のクレア・フォイ(Claire Foy)。


━━かなりの好評を得た『ラ・ラ・ランド』の後に、再びデイミアン・チャゼル監督と共に仕事をすることになって、嬉しく思っていらっしゃいますか?

彼の中には半分カナダの血が流れているので、お互いのルーツを分かち合うことができて、助かっているんだ(笑)。 今まで彼の監督の下で出演した二つの作品はいわゆる“大作”と呼ばれる、皆が映画館で楽しむタイプの映画で、デイミアンは観衆を惹きつける直感的な才能を持ち合わせている監督だと思うよ。

今回のような大作でまた一緒に仕事をし、それだけではなく、さらにNASAを訪問して偉大な使命に貢献した人たちに会ったり、昔のNASAと今のNASAを知る機会や、ニールの家族と一緒に過ごすという素晴らしい体験を共有することができたことをとても光栄に思っているよ。


━━巨大な遠心力運動やロケット発射時を想定した機械運動、そしてアームストロングや他の宇宙飛行士たちが体験したジーフォース(G-forces)運動などが特にお好きというわけではないかと思いますが、その点についてはいかがですか? (G-focesは“Gの力”と呼ばれ、航空機やロケットなどで、「加速時に掛かる力」のことをいう。)

もちろん、好きではないよ! でも、僕の役柄にとって“飛行”の基本を知ることは大切だと思っていたので、当然それに関する訓練があると思っていたんだ。ニールは、「操縦する前に飛ぶことができた」と聞いているけれど、僕にはその才能がまったくないようで、訓練が始まって間もないころ、教官が機内にバランスをコントロールする“ストール”を入れようという提案をしてきたんだ。これって最悪のアイデアだと思わない?

そして、そのとき初めてニール・アームストロングが偉大な宇宙飛行士になって、僕がなれない理由が分かったというわけ! つまり、他の宇宙飛行士も持ち合わせていなかった特別な何かがニールにはあったということだと思うよ! それに宇宙船に乗るにはある種の運命的なものが必要で初めて飛ぶという人でも、航空機設計の理論を理解して、限界を乗り越えることができるということだよ!

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━━そのようなリスクをとることをどのようにお考えですか?

ニールとの違いは最初のころから理解していたし、僕にはそのようなリスクは絶対にあり得ない!(笑) 使命達成のためのリスクと、それに伴う宇宙飛行士の家族も含めた犠牲を考えると、それは僕にとってとてもまれな映画の中での経験で、現実の生活とは到底結びつかないんだ!


━━カナダで過ごした幼少時代に“宇宙飛行士”になることを夢見たことがおありですか?

あえてこの話を持ち出したりしたくはないけれど、実は僕はチャレンジャー(Challenger)号の爆発事件の後に生まれた世代なんだ。だから、宇宙での爆発事件や宇宙飛行に関わる人間の悲劇には特に敏感なんだ! (チャレンジャー宇宙飛行船は1986年1月の爆発で、7人の宇宙飛行士が尊い命を失っている。)

この爆発時間は僕が小さいころ起きたもので、今でも鮮明な記憶が残っていて、“宇宙や宇宙飛行船”の話になると、なぜかいつもメランコリーな気持ちになってしまうんだよね。それは“不可能を可能にした”1960年代の宇宙開発経験とは、まったく異なっていると思うんだ!

デイミアンも言っているように、今は“宇宙冒険”に憧れたりする時代ではないし、“宇宙飛行士”になる夢を持っている子供たちもほとんどいないのではないかな?


━━この映画の中で、アームストロングが月へのミッションに旅立つ直前、妻から問いただされて「宇宙飛行のリスク」を告げるという“胸を刺されるような”シーンがありますが、その点についてはどのように感じていらっしゃいますか?

そう、確かにあれはとても感傷的なシーンで、僕には想像できないよ! 僕自身、子供を持って初めて人生の素晴らしさを実感しているし、仕事で子供と離れることさえ難しいと感じるときがあるのに、宇宙に旅立って家族と離れると考えるだけでも、家族を守る父親として大きなプレッシャーを感じるよ!


━━現在では、近い将来企画に上っている“地球軌道一周”のミッションに申し込みをしている人たちがいると聞いていますが、ご自身は“宇宙への旅”を体験してみたいと思っていらっしゃいますか?

それはないと思うよ。そもそも僕が火星に行く費用をあなたが払ってくれるわけではないでしょう!

INTERVIEW © WENN
PHOTO © KIKA / WENN.com
PHOTO © WENN.com
PHOTO © PPE / News Pictures / WENN.com


END.
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